不動産屋と聞くと、賃貸物件の斡旋や土地や建物を購入または売却する際の仲介など、ほとんどのことを手伝ってくれる業者として認識されるはずです。
しかし、ある業務だけに特化した事業があるとするとどうでしょう。
ソニー不動産は名前を見てすぐにわかる人が多いかと思いますが、大手の日本電機メーカーが親会社となる不動産サービス企業です。
国内IT大手のヤフージャパンと提携してスタートした形となっていて、これまでの不動産屋とは異なる新たな売却エージェントとして注目を集めているサービスとなっています。
これだけでは理解しにくいかもしれませんが、不動産の売却では売り手と買い手の間に仲介業者が挟まれ、お互いに妥協点を話合いながら進めていくのが今までのやり方となっています。
この方法では仲介業者が手数料を受け取ることしか頭になく、結果的にどちらが損得を得ようが関係ないといった様子で、とにかく早く契約を締結させたいというのがありありと見えているのです。
そこで導入されたのが売却エージェントという制度で、エージェントは代理人という意味を持つように、契約した顧客が得をするために徹底的に働きかけてくれるようになっています。
例えば売却する側が査定額通りに売り出していても、交渉して安くしてこようとするのがほとんどです。
買い主は少しでも安くという気持ちがあり、仲介業者は早く成約させて、両者から手数料を受け取りたいがための交渉となっていましたが、ソニー不動産の売却エージェントでは、片方からしか仲介料を受け取らないので、確実に利益を得る手段をとってくれるようになります。
ちなみに、ソニー不動産では売主のみを対象としているので、不動産売却をする人にとっては大きな味方となってくれるでしょう。
不動産売却の媒介契約では、複数社と契約して広告を打ち出すなどの選択肢もありますが、この売り主のみを優先して行うサービスでは複数社に依頼されるとサービスとして成り立ちにくくなっています。
そのため、ソニー不動産では専売して任せてもらいたいという気持ちが強く、専任依頼をすると仲介手数料に割引ができるようになっています。
不動産仲介手数料は成約時の価格の3%と固定額の6万円を加えた金額と定められていますが、専任依頼によって割引される金額は5万円という制度があるので手数料による出費をかなり抑えることができるのがメリットとなります。
法定手数料のため不動産の売買をすれば必ず発生する金額のため、少しでも安くできるというのであれば魅力的な制度と言えます。
査定できるのは中古マンションと中古一戸建て、さらに土地と現在では3種類しか利用できず、投資用の物件は対象外となってしまうのが問題です。
また、対象エリアが非常に狭くなっていて、東京と神奈川、埼玉、千葉の1都3県のみのため、かなり限定的です。
とはいえ、これから順次エリア拡大をしていくということなので、関東地方でしばらく待っていれば利用できる日も近いでしょう。
不動産屋として見ると対象が限定的で使いづらいのは確かですが、売り主が有利になるよう特化したエージェント制であるため、上手く活用すると良いでしょう。
日本では両手取引が一般的で理解しにくいかもしれませんが、アメリカなどの先進国ではエージェント制が合理的で、そちらを採用されていることからも別段おかしな方法というわけではありません。
特にせっかく購入した土地や建物を二束三文で売り払われては困るという家主にとって、しっかりとした価値を認めてほしいといった人には有り難い制度と言えます。
ソニー不動産は歴史の浅いサイトですが、今後はエージェント制がスタンダードになる可能性もあるため、売却時には利用するのを検討してみるのも良いかもしれません。
最終更新日 2025年7月8日 by kikuch