競馬は血統を前提に成り立っているブラッドスポーツ

日本競馬は、公営ギャンブルとして提供されているものであるため馬券を購入してお金を貰うことは合法的な行為です。
実際に、日本競馬の市場は年間で2兆円を超える規模で推移していますので、日本国内だけではなく世界的に見ても有数のギャンブルとして成り立っています。
しかし、単純なギャンブルとしてサービスが提供されているわけではないというのが競馬の魅力です。

1 他のスポーツには存在しない血統的な要因が大きい
2 サラブレッドと呼ばれるためには必ず血統書が存在しなくてはいけない
3 血統的な系統は世界中で大きく異なる
4 海外の競馬では日本よりも血統的な偏りが非常に顕著である
5 まとめ

他のスポーツには存在しない血統的な要因が大きい

これは、他のスポーツには存在しない血統的な要因が大きいといえます。
元々、競馬は海外で発展してきたスポーツです。
現実的にも、ブラッドスポーツとして発展してきたものであるため、賭けの対象として認識されているよりも紳士淑女が嗜むためのスポーツであると考えられています。
この考え方が最も浸透しているのが、サラブレッドの存在です。
サラブレッドは、徹底的に追求された血統という意味を持っている言葉です。
昔は、貴族が嗜むスポーツとして親しまれていたものであるため、そこに参加するためには高貴な存在であることが求められました。
その中で、馬という個体を走らせるために血統的な裏付けが存在する必要があるというルールが作られていったのです。
サラブレッドは、生物学的に見ると馬と同類ですがいわゆる競走やレースに参加できる個体は血統書が存在する個体でないといけないというルールが作られました。
こういったルールを作ることによって、暇を持て余していた貴族はより洗練されたサラブレッドを作っていくことになったわけです。

サラブレッドと呼ばれるためには必ず血統書が存在しなくてはいけない

ここで重要になるのが、サラブレッドと呼ばれるためには必ず血統書が存在しなくてはいけないということです。
言い換えると、その個体の血統を証明することができないものは、馬であってもサラブレッドではありません。
世界中に現存するサラブレッドには、例外なく血統書が存在しますのでその個体の起源をさかのぼっていくと、種牡馬の起源を見つけることができるようになっています。
具体的には、3頭の種牡馬に行きつくようになっており、その中でも始祖と呼ばれる1頭の種牡馬は世界中に現存するサラブレッドの99％の血統書に存在すると考えられています。
それくらい、現在のサラブレッドは特定の種牡馬の血統によって支配されていることがわかります。
こういった流れになったのも、昔から続いている血統を大切にしていき、究極のサラブレッドを完成させることに力を入れてきたからに他なりません。

血統的な系統は世界中で大きく異なる

面白いのが、こういった血統的な系統は世界中で大きく異なるという点です。
確かに、血統を辿っていくと始祖に辿り着くことは間違いありません。
しかし、そこから生まれた様々な分派は世界中で発展していき、その地域で特有の系統として成長していくことになります。
日本でも、独自の血統が形成されていき、あるいは海外から優秀な種牡馬を輸入することによって世界とは全く異なる系統を確立させることに成功しました。
そして、これらのファクターはそのまま馬券の予想に利用できるわけです。
このような要因を利用して予想することは、特に日本では非常に好まれています。
これは、世界と比較しても多種多様な系統が存在する現状だからです。
日本には、中央4場と呼ばれる主要なコースと、いわゆるそれとは異なったマイナーなコースが存在します。
当然ですが、そこで活躍する種牡馬は全く違います。
コース形態が大きく違っていたり、利用されている芝の質そのものが異なっていたりなど、その特長を上手く活かすことができた種牡馬が勝つコースも存在します。
そういった点を予想のファクターにすることで、大きく利益を伸ばすことができるのが馬券の面白さです。

海外の競馬では日本よりも血統的な偏りが非常に顕著である

実は、こういった傾向は海外ではほとんど見られません。
これには、いくつかの理由が存在します。
まず、海外の競馬では日本よりも血統的な偏りが非常に顕著であるという傾向があることです。
例えば、ヨーロッパではノーザンダンサー系と呼ばれる系統が主要な状態になっており、その中でもサドラーズウェルズとダンジグという2つの系統がほとんどの主要なレースで勝ちを収めています。
その結果、この2大系統が大きく幅を利かせることになっており、血統の飽和状態が起きている現状なのです。
実際に、ヨーロッパではこの現状を打開するために日本で独自に発展したサンデーサイレンスという血筋を導入するために、優秀な繁殖牝馬を送り込んでいます。
一方で、日本はサンデーサイレンスとは別に様々な系統が現状でも存在します。
これは、芝の質やダートの質、あるいはコース形態の多様性などによって求められる血統が異なるからに他なりません。
現実的にも、世界レベルで芝とダートの競走を並行して年間で継続しているのは世界中でも日本だけです。
それだけ、多様な血統が求められているのでそこから利用できる予想のファクターも豊富なのです。